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- 純正シャフトでもここまでできる! テーラーメイドが示した“新時代フィッティング”の本質とは
テーラーメイドが純正シャフトによるフィッティングを本格提案。高額化するクラブ市場の中、“ベター”と“ベスト”の違いから、スコアにつながる本当のフィッティング論を考察します。
テーラーメイドが打ち出した“フィッティング時代”
近年、テーラーメイドが最新ドライバーを世に送り出す際、「フィッティング」というワードをキャッチコピーに用いるケースが増えています。実際、Qi35ではフェース面に6つの反射板を搭載したフィッティング専用ヘッドが登場。弾道計測器「GCクワッド」と組み合わせることで、かなり精密なスイング解析が可能になりました。
そして、今年発売されたQi4Dでは、その流れがさらに進化。純正シャフトによるフィッティングを推奨するという新たな局面に入りました。そういった業界の流れを踏まえ、本稿では改めてフィッティングの重要性について考えてみたいと思います。(文/クラブフィッター・石井建嗣)

そもそもQi4Dのネーミングには、「4つのDIMENSION(次元)」という意味が込められています。日本語で言えば「次元」や「視点」という意味ですが、簡単に言えば「フェース」「シャフト」「ヘッド」「フィッティング」という4つの次元において、さらなる進化を遂げているということです。
個人的には、大手クラブメーカーが大々的に「フィッティング」という言葉を世間にアピールしてくれたことにうれしさを覚えた半面、正直「今さらかよ……」という感情も芽生えました。偉そうに言うつもりはありませんが、私自身は10年以上前からフィッティングの重要性を唱えてきたからです。
とはいえ、逆説的に言えば、それだけフィッティングが一般ユーザーに浸透しきっていないという証明でもあります。そういった意味でも、世界的ゴルフクラブメーカーであるテーラーメイドが、「フィッティング」を全面的に押し出してくれたことは、業界的には喜ばしいことだと思います。
純正シャフトで広がる“ベターフィッティング”
話を戻しますが、具体的にテーラーメイドがどのようなフィッティングを行っているのかを少し説明します。
今回のQi4Dでは、3タイプの純正シャフトをラインアップ。インパクト前後におけるフェースの開閉量を分析し、「開閉が多い人」「標準的な人」「開閉が少ない人」の3タイプに分類。それぞれのプレーヤーに合いやすい純正シャフトを提案するシステムとなっています。
さらに、重量帯も50グラム台だけでなく、近年の純正シャフトでは珍しい60グラム台も用意されており、ハードヒッターにも対応できる仕様です。
ドライバーの価格が10万円を超える時代において、カスタムシャフトを装着することは、多くのゴルファーにとって大きな負担になります。価格を抑えつつ、自分に合うシャフトが見つかるのであれば、それに越したことはありません。
改めて、テーラーメイドの開発力、マーケティング力、そして良い意味での“いやらしさ”を感じました。
とはいえ、これだけカスタムシャフトが普及している以上、価格面を無視すれば、テーラーメイドの純正シャフト以上の選択肢が見つかる可能性が高いのも事実です。また、見た目的にカスタムシャフトを装着したいという需要もあるでしょう。
私は今回のテーラーメイドの純正シャフトフィッティングを、「ベターフィッティング」だと考えています。要するに、“今より良いもの”を見つけるためのフィッティングということです。
当然ながら、多くのゴルファーは、現在使っているクラブを基準に評価を行います。そして、その結果を上回れば満足するケースが多い。そうしたニーズにマッチしているのが、今回のテーラーメイドのフィッティングなのだと思います。
一方で、もう一歩踏み込みたいゴルファーには、「ベストフィッティング」が必要になります。「ベターフィッティング」のさらに上を目指し、文字通り“ベスト”なシャフトを探すフィッティングです。そういったニーズを満たす存在として、カスタムシャフトがあるわけです。
フィッティング成功の基準は“スコア”
最後に、フィッターという立場から見た、私自身のフィッティング論を紹介して締めくくりたいと思います。
よく「フィッティングの成功とは何ですか?」と聞かれますが、私は必ず「スコアが良くなること」と答えています。
フィッティングの着地点は、試打時に良い結果が出ることでも、練習場で気持ち良い球が打てることでもありません。最終的に重要なのは、コースでスコアが良くなることです。それこそが唯一の証明だと思っています。
少なくとも私は、そこを目指してフィッティングをしてきましたし、どれだけお客様が納得していても、スコア改善につながらなければ失敗だったと考えています。
そう考えると、「ベター」でも「ベスト」でも、最終的にはどちらでも良いのかもしれません。とにかく、今より良いスコアで回れたなら、それが正解なのです。
先ほども触れましたが、新作クラブの価格は年々上昇しており、コスト面で完璧を追い求めることが難しい時代になってきました。限られた予算の中で、いかに今より良いスコアで回れるクラブを見つけるか――。それこそが、現代におけるフィッティングの考え方なのだと思っています。
【解説】石井 建嗣(いしい・たけし)
香川県丸亀市で「ゴルフショップイシイ」を営むクラブフィッター。フィッター界の第一人者である浅谷理氏に師事し、クラブ&パターフィッター、TPIインストラクター、ゴルフラボ公認エンジニアの資格を持つ。ゴルフはHDCP「9.9」の腕前だが、自身のプレーより他人のクラブを“診る”ことに喜びを感じる職人肌。出演するYouTubeチャンネル「ズバババGOLF」では軽快なトークで人気を集める。
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