トラブルが発生したら問題の大小に関わらずマスター室に相談
「ラインを踏まれた」といったものから、「後続組に打ち込まれてボールが直撃」というような、あってはならないものまで、ラウンド中には実に大小さまざまなトラブルが発生します。
特に、秋に入って日が短くなると急激に増えるのが後続組による「打ち込みトラブル」。
夏場は日が長いので、多少スタートが遅い組でも日没を意識せずにプレーできますが、日が短くなるにつれて、せっかちなプレーヤーはさらに気が短くなる傾向に。前の組にプレッシャーを与えるために微妙なタイミングでショットを放った結果、打ち込んだボールが人に当たってしまった……というような、あってはならない重大なトラブルも発生しがちです。

プレーヤー同士のトラブルは両者間でうまく解決できればいいのですが、そうもいかないのが世の常。ラウンド中にこのようなトラブルに巻き込まれてしまったら、どうすればいいのでしょうか?
「ゴルフ場は、文化やバックボーンが異なる知らない人同士が集う場所。問題の大小に関わらずトラブルが起こる可能性があることを、絶えず頭の片隅に入れておくとよいと思います。自分のゴルフに集中するばかり、まわりのプレーヤーに対する気遣いやリスペクトを忘れてしまう人がいると、何かと摩擦が生じやすくなるのです」と話すのは、ゴルフ会員権の取引を専門に行う加賀屋ゴルフ代表の前田信吾さん。
「『前の組、ちょっと遅いんじゃないの? ペースを乱されてスコアが崩れた!』とかね、自分のミスやイライラを他人のせいにする方がたまにいらっしゃいます。『早く行けよ! 遅いんだよ』と後続組から罵声を浴びせられた……、という話を実際に聞いたことがあります。打ち込みのような重大なマナー違反でなくても、こういったケースに巻き込まれたら我慢せず、マスター室に報告するのが一番です」
ちなみに、トラブルの代表格とも言えそうな“打ち込み”に関しては、
1.不幸にも実際にプレーヤーに当たってしまった
2.打球は当たっていないが届いてしまった、もしくは届きそうだった
の2つに大きく分けられます。
前田さんによると、1の場合はゴルフ場が仲介に入り、保険を使用する損害賠償請求が発生してくる場合もあるので、“打ち込み”という行為自体は大問題ではあるけれども、感情的なもつれは少なくて済むことが多いそうです。
一方、お互いの感情が絡み合い、トラブルに発展しやすいのが2つめの案件。
「『打球は当たっていないが届いてしまった、もしくは届きそうだった』という場合が厄介。後続組は当然『意図的ではない』と主張してくるだろうけれども、打ち込まれた方は、どういう理由であれ不快な気分になります。それがラウンド中、一度ならまだしも二度も打ち込まれた……なんて話になると、もう収集がつかなくなります」
決して悪意はないもののコントロールミスから自分が打ち込んでしまった場合は、すぐに相手のところに行って平謝りするのが一番。この場合も、相手への謝罪の後にマスター室に一報を入れておくと、大きなトラブルに発展しにくいようです。
特にキャディーさんが付かないセルフプレーの場合は、カートの無線や携帯電話を利用してマスター室に報告することが可能なので、最悪な展開を迎える前に「トラブル発生時には、マスター室に相談!」が正解です。