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- 手打ちスイングはもう卒業! 理想的な「腕の三角形」をキープする正しい始動法とは?
PGAツアーの解説も務めるゴルフスイングコンサルタント・吉田洋一郎氏が、ツアーの第一線で活躍する選手のプレーを独自の視点で分析。今回は、国内女子ツアー「資生堂・JAL レディスオープン」で初優勝を飾った倉林紅(くらばやし・こう)選手のスイングに注目しました。
倉林紅のスイングは「体と腕の一体感」が最大の武器
2週前の国内女子ツアー「資生堂・JALレディスオープン」でプロ初優勝を飾った倉林紅選手。彼女のスイングの大きな特徴は、体と腕の一体感にあります。
そのシンクロ率は国内女子ツアーでもトップレベルといえるほどで、スイング中の腕の運動量は少なく、体の回転を主体にクラブを振っています。同じタイプのスイングとしては、PGAツアーで活躍するジャスティン・ローズ選手が思い浮かびます。

倉林選手はテークバックで、アドレス時につくった両腕の三角形をほとんど崩さずにクラブを上げ、コンパクトなトップを形成します。
切り返し以降も体と腕の同調は崩れず、手先でクラブを振り下ろすのではなく、上半身の回転を主体にダウンスイング。下半身は、その動きに自然と連動しているような印象です。
体と腕をシンクロさせる最大のメリットは、スイングの安定性と再現性が高まることです。手先でクラブを操作するクセがあるゴルファーなら、「腕の三角形をキープしなさい」とアドバイスされた経験がある人も多いでしょう。
「前へ習え」で胸郭を回せば腕の三角形は崩れない
では、どうすれば体と腕のシンクロ率を高められるのでしょうか。ポイントになるのが胸郭の使い方です。
まずは「前へ習え」をするように両腕を前へ伸ばし、両ワキを軽く締めます。その形を保ったまま前傾姿勢をつくり、アドレスしましょう。そこから胸郭を回すイメージでバックスイングを始動。前傾角を維持したまま胸郭が回れば、腕と手元は飛球線後方へ真っすぐ動きます。
一方、バックスイングで手元が早くインサイドへ入りすぎるのは、肩関節を使って腕だけを動かしていることが原因です。胸郭だけを動かして始動する感覚を身に付けることで、体と腕の一体感が生まれます。胸郭を動かすイメージが湧きにくい人は、肋骨や肋骨と背中のつなぎ目を意識すると分かりやすいでしょう。
この動きで手元は腰の高さあたりまで上がり、さらに右股関節を切り上げるように回転すると、手元は自然と胸の高さまで上がっていきます。これが体と腕をシンクロさせた理想的なバックスイングです。
実際のスイングでは、手元がそこまで上がれば、あとはクラブの重さや遠心力によって自然にトップの位置まで運ばれていきます。
このようにバックスイングで体と腕の同調をつくることができれば、ダウンスイング以降も腕の三角形は崩れにくくなります。逆に、バックスイングの段階で体と腕がバラバラになれば、その後も同調性を保てず、再現性の低いスイングになってしまうのです。
まずはクラブを持たず、「前へ習え」の姿勢で両ワキを締めた状態からバックスイングの動きを繰り返し確認してみましょう。体主導で振る感覚が身に付き、手打ちスイングからの脱却につながるはずです。
【解説】吉田 洋一郎(よしだ・ひろいちろう)
1978年生まれ、北海道出身。世界のゴルフスイング理論に精通するゴルフスイングコンサルタント。デビッド・レッドベターから世界一流のレッスンメソッドを直接学ぶ。毎年数回、米国、欧州へ渡り、ゴルフに関する心技体の最新理論の情報収集と研究活動を行っている。欧米の一流インストラクター約100名に直接学び、世界中のスイング理論を研究している。海外ティーチングの講習会、セミナーなどで得た資格は20以上にのぼる。
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