ゴルフ場によっては数百万円かかる“名変料”とは?
ゴルフ会員権の購入時に、入会希望者が名義書換の手数料としてゴルフ場に支払う名変料。最近、この金額を上げるゴルフ場が徐々に増えてきているようです。
ゴルフクラブに新規会員が入会すると、ネームプレートや名簿の作成、会員証の発行など、いわゆる名義変更に関わる事務手続きが発生します。
この事務作業にかかる費用としてゴルフ場に納めるのが名変料ですが、その金額はゴルフ場によって異なります。

名変料が10万円未満という良心的な料金設定のゴルフ場もあれば、上は数百万円という高額な金額を設定しているゴルフ場もあります(※一部、名変料無料のコースもあります)。クラブを退会する場合、支払った名変料の払い戻しはもちろんありません。
名義書換の事務作業に数百万円とは驚きの金額ですが、名義変更等の事務作業に関わる費用というのは表向きで、実際のところはゴルフ場の運営に充てられることが少なくないようです。
そもそもゴルフ場がゴルフ会員権市場の取引で利益を得ることはありません。
例えば、Aゴルフクラブの会員権を持つBさんがCさんに会員権を売却したとしても、この取引におけるAゴルフクラブの収益はゼロです。
売買が成立し、会員の名義が変わってはじめて名変料としてゴルフ場にお金が入ってくるわけなので、この時点で発生する名変料はゴルフ場にとって、とても重要な運営資金になるといえるのではないでしょうか。
名変料を110万円から220万円に変更するゴルフ場も
近年、名変料を値上げするゴルフ場が増加傾向にあるようですが、実際のところはどうなのでしょうか。四半世紀に渡り、ゴルフ会員権の売買を専門に行ってきた加賀屋ゴルフ代表の前田信吾さんに話を聞きました。

「2022年、浜野ゴルフクラブ(千葉県・市原市)が名変料を110万円から220万円に上げました(※いずれも税込み)。新型コロナの発生以降、浜野GCの会員権相場は上昇に次ぐ上昇を見せましたが、これでちょっと一服感が出るかもしれません」
「名変料が2倍になるわけですからね、当然買おうとする方が減りますので相場は下がります」と前田さん。
「22年末には我孫子ゴルフ倶楽部(千葉県・我孫子市)も 名変料を330万円から440万円に、名変預託金も100万円から300万円に上げました。嵐山カントリークラブ(埼玉県・比企郡)に至っては、なんと名変料を220万円から550万円へと大幅にアップしました」
さらに前田さんは続けます。「鎌倉カントリークラブ(神奈川県・鎌倉市)も名変料を33万円から49.5万円に上げ、特別預託金を100万円から200万円に上げましたね。入会希望者にとっては、いずれも驚きの変更であります(※金額はいずれも税込み)」